柏谷健二先生(1948年生まれ)は,1983年に神戸大学大学院自然科学研究科助手に着任されたのち,1993年より金沢大学理学部に助教授として赴任され,1998年に教授に昇任されたあと,2002年からは自然計測応用研究センター(現環日本海域環境研究センター)の教授として教育・研究に邁進されました.
この間,地形学および第四紀学の学際的領域において,侵食地形の形成や流域からの土砂供給と湖沼への堆積という一連のプロセスと,第四紀の環境変動との関係解明に尽力されました.特に,水系網の成長過程を理論的に明らかにして定式化したうえ,その妥当性を観測によって検証するという実験地形学の先駆的研究を展開されました.また,国内や中国,韓国,台湾,ロシア,モンゴルなど,東ユーラシア各地の湖沼を対象とし,湖沼―流域系における観測による地形プロセスの解明と,湖沼堆積物による古環境変動解析を組み合わせ,現在の観測記録と堆積物記録を結び付ける古環境復元の研究に取り組まれました.また,ロシアのバイカル湖,モンゴルのフブスグル湖,ダルハド盆地などを対象とした堆積物掘削計画の国際共同研究を主導され,陸域における氷期―間氷期スケールの長周期環境変動の研究に大きく貢献されました.これらの国際共同研究を推進するとともに,国際ワークショップの開催(JGU後援・2004年より現在まで20回開催)や各地からの留学生の受け入れ,学生や職員の派遣等を通じ,当該分野における東ユーラシア諸国との国際交流の発展にも尽力されました.
日本地形学連合においては,長期にわたって総務主幹を務められ,学会運営に多大なる貢献をされたほか,2005-2006年度には会長として地形学の普及発展を牽引されました.
以上のことから,柏谷健二先生を日本地形学連合の名誉会員に推薦致します.
文責:落合伸也
2026年9月26日推戴
