会長挨拶

 一般社団法人日本地形学連合2025年度社員総会において会長としてご承認いただきました島津 弘です.

 目に見える景観の一要素としての地形は古くから地理学の中で自然を構成する一要素としてとらえられてきました.科学的な地形に関する研究は18世紀以降,地理学や地質学の分野を中心として行われてきました.一方で,現代の社会のインフラの整備や社会生活と関連して,工学や農学の分野で計画,施行,制御を中心に地形の研究が進んできました.このように,さまざまな方向から地形にかかわる研究が行われてきました.

 そこで同じ地形を一緒に議論する場をつくるために発足したのが日本地形学連合であり,連合という名前がつくことになった理由であります.連合という名前ですが,学会の連合体ではなく,別々のコミュニティーで語られてきた地形を共に語る場であるという意味の連合です.

 地形は自然環境を構成する基盤の一つであるだけではなく,地形変化が地球環境変動や動植物をはじめとしたさまざまな自然環境の変化と相互に関連しています.自然災害の大部分は地形変化が関わる現象によるものです.河川の氾濫は水の現象としてとらえられるかもしれませんが,水によって運ばれた土砂が氾濫堆積します.これによって平野の地形が形成されてきたので,平野における災害は地形現象の一つでもあるわけです.

 本学会では学術的あるいは実践的な地形学的活動の発表の場として秋季に年1回の学術大会および付随したシンポジウムや巡検の開催,日本地球惑星科学連合大会におけるセッション運営や共催,それに加えて地形に関する学術的,技術的な学びの場としての地形の学校を開催しています.さらに,国際地形学協会(IAG:International Association of Geomorphologists)の日本における窓口となっています.

 さまざまな立場で地形と向き合う方々の集える場として,またさまざまな地形情報の発信の場として,地形学のさらなる発展と地球や地域への貢献を目標に活動を進めてまいります.私たちと一緒に地形について考えてみませんか.どうぞよろしくお願いいたします.

一般社団法人 日本地形学連合会長
島津 弘