藤田先生は,1958年に大阪市立大学理工学部地学科を卒業後,原子燃料公社(現日本原子力研究開発機構)に入社,1971年9月に大阪市立大学から理学博士の学位を取得されました.1973年には大阪工業大学工学部助手として着任され,その後講師・助教授を経て,1975年に教授に昇進されました.2001年3月には大阪工業大学を退職され,名誉教授となられています.藤田先生は地形学連合に発足当時から参画されております.従来の専門分野にこだわることなく,広く地形に関心を寄せる者が研究討論を行う場として設立された地形学連合において,創立当初の「地形」に掲載された論文「地すべり変動による地形変化」(1981)で示されるように、「地すべり研究」に軸足を置きながら,地すべり発生の地形・地質的要因について,あるいは変動の結果形成される地すべり地形についての研究を進められ,その研究成果の普及に尽くしてこられました.
藤田先生は1983年から1997年までの長きにわたり委員として地形学連合の活動を支え,そのうち1987年から1989年にかけては,会長として地形学連合の発展に貢献いただきました.さらに,会長退任後の2年間も渉外主幹を勤められ,会長時代に引き続き「10周年記念行事」の準備・開催に組織委員長として尽力いただきました.
委員を退任された後も,斜面地形の形成や斜面変動について取りまとめた「斜面地質学: その研究動向と今後の展望」(応用地質学会)や,地すべりと地形・地質との関係を論じた「地すべりと地質学」(古今書院)を編著されるなど,地すべりと地形に関する研究の普及活動を継続されています.これらの書籍は,大学・研究機関の研究者,地すべり技術者,行政担当者などの幅広い職種の関係者にとって必読の書となっており,「地すべり」と「地形」研究を結びつけ体系化されたものとして,現在も後の世代に継承されています.
以上のように,長年にわたる斜面災害の研究や当会の活動を通して地形学の発展に多大な貢献をされた藤田崇先生を名誉会員として推薦いたします.
文責:石丸 聡
2016年10月8日推戴
